くるりスペシャルライブ@恵比寿リキッドルーム

 くるりリキッドルームで見るのは3年前のファンクラブイベント以来。あの時はいきなり「お祭りワッショイ」から入り、会場中が笑いに包まれたのを覚えてます。
(*1 6月1日訂正:お祭りワッショイは前々回だった模様)

 そんな久しぶりのファンクラブイベント。色々と感想はあるけれども、とりあえず記憶が残っているうちにセットリストなどの情報を。

 まずは、セットリスト

  • 目玉のおやじ
  • 麦茶
  • さよならリグレット
  • 飴色の部屋
  • キャメル

(boboのソロ)

  • モーニングペーバー
  • 奇跡
  • 鹿児島おはら節
  • 東京レレレのレ

(Encore)

  • 東京
  • 一歩(いっぽ、新曲)

 続いて、バンドメンバー。今回から新メンバーに変わりました。大きく分けて、三部構成。

 最初の7曲とアンコールの2曲は新しいバンド編成(ギター:吉田少年、ドラム:田中裕二 トランペット:ファンファン)での演奏。次の6曲は4年以上サポートメンバーを努めてきたboboとのセッション。ちなみに、後半2曲は前回ツアーでサポートに入った山内総一郎(レコーディング中!)を交えてのプレイ。そして、最後3曲はboboに新メンバーを加えての6人体制での演奏。

 詳細な感想などは次回更新としますが、取り急ぎ。

Base Ball Bear「SAYONARA-NOSTALGIA TOUR」@横浜BLITZ

時間がたってしまったけれども、GWに行ったもうひとつのライブ、Base Ball Bearの結成10周年記念ツアーの話を。

仕事を少し早く切り上げていった横浜ブリッツは、おそらく、3年前のフジファブリックのツアー以来。
ボーカル小出くんの言う「ハロプロの聖地」です。

まず、セットリストはこちらを参照していただくとして、思ったことを。

一番にカンジタは、ギターの湯浅将平のテンションの良さ。「キレてるなあ」という印象。
各曲でのギターソロやSAYONARA-NOSTALGIAの際のダンス将平もそうでしたが、
全編を通じて状態の良さが伝わってきて、ニヤニヤしてしまいました。

Base Ball Bearのライブを見るときはドラム、ベースのリズム隊に注目して見ることが多いのですが、
この日ばかりは彼に注目してしまうしかなかったです。

また、もうひとつ思ったのは、楽曲のバックグラウンドにある「歌謡曲」の匂い。

会場限定シングルのyoakemaeを聞いていても強く感じたのですが、
他のバンドとの違いを感じるのはその点。

彼らがその時その時に自分達が聞いてきた音楽を大事にし、楽曲にストレートに向き合っているという感じがし、
結果としてとても心地良い印象を受けます。

高校生も大勢来ているLiveに三十路男が一人でいってニヤニヤしているのは違う意味でまずいかもしれませんが、
彼ら自身のステージ上の結束や普段聞けない楽曲がふんだんに含まれたセットリストを含め、
ホント見ていてニヤニヤしてしまういいライブでした。

次は夏フェスあたりかなあ…。

フィッシュマンズ "A Piece Of Future"@日比谷野外音楽堂(レポート)

 5月3日に行ってきたフィッシュマンズの日比谷野音のレポを簡単に。

 セットリスト等の詳細なレポートはこちらにあるようなので、ここではごく個人的に思ったことを。

 まず、思ったのは復活ライブとなったRSR2005との違い。これは2曲目に永積タカシがMAGIC LOVEを歌ったときから感じたのだけれども、「地に足がついた」印象を受けました。

など、理由をあげることはできるのでしょうが、とにかく、野音でのフィッシュマンズの演奏は、使い込んだ革のような馴染んだ感触がしました。

 そして、一番強くその感覚を覚えたのは、七尾旅人がボーカルを努めるシーン。この日の七尾旅人は神がかっているとしか形容がない程に会場の空気にマッチしておりました。彼がメインボーカルを担当した「頼りない天使」「感謝(驚)」「ナイト クルージング」、どの楽曲も圧倒的なパワーをもってきこえてきました。

 他方、「やくしまるえつこ」も面白かったです。密かに彼女が「Baby Blue」を歌わないかなあと期待していたのですが、実際に聞いた楽曲は、「原曲とは違うけれども、でもこれもフィッシュマンズだよなあ」と思わせる期待以上のものでした。(*1)(*2)

 そして、なにより印象的だったのは、茂木欣一が心底、この空間を大切に思っているということ。ボーカル・演奏・MCのどのシーンを切り取っても、彼が本当に佐藤伸治フィッシュマンズのことが好きだということが素直に感じられ、それが見ている側にとっても自然と引き込まれていく力になっていたように思えました。

 本当に濃密で、心が満たされる三時間でした。

 *1 これに関しては、ヴァイオリンを担当したROVO勝井祐二も似たような印象を受けました。ROVOの音だなあと思いつつ、それがフィッシュマンズの楽曲に不思議にマッチしてました。

 *2 もっとも、彼女はアンコールの「チャンス」において、転校生のような居心地の悪さを醸し出していて、見ている側が心配になるという意味でも印象的でしたが。

フィッシュマンズ "A Piece Of Future"@日比谷野外音楽堂

久しぶりの更新はLIVEネタ。

あいにくの雨模様でしたが、日比谷野外音楽堂フィッシュマンズのライブを見てきました。

RSR2005の復活ライブ以来、二度目のフィッシュマンズ。前回見たときは夢を見ているかのような時間でした。ただ、今回のライブは幸せな時間でありつつも、この場所に確かに存在していると思える空間でした。

ライブ自体は17:30過ぎにI DUB FISHで始まり、20:30過ぎにチャンスで幕を閉じました。七尾旅人の「感謝(驚)」「ナイトクルージング」や、やくしまるえつこの「BABY BLUE」など、過去のライブやDVDでは味わえなかった楽曲もあり、非常に贅沢なラインナップでした。

詳細なレポートは別途、と思いますが、取り急ぎ、感想まで。

告発の巨塔/江上剛

久しぶりに本が好き!の献本でいただいた一冊。

現在、タイムリーに問題が起きているみずほフィナンシャルグループをモチーフとした、三行合併後の銀行における主導権争いを描いた一冊。

主人公はミズナミフィナンシャルグループ(MFG)の広報部に勤務する関口裕也。出身行による縄張り争いとそれに伴うに嫌気をさしつつ業務をこなす日々の中、プレスパーティーでかつての恋人で、テレビ局の報道記者となった木之内香織と再開します。

物語は、この木之内香織とMFGの傘下にあるミズナミホールセールバンク(MWB、旧興銀がモチーフ)の頭取が接近するところから進展していきます。(*1)

銀行の裏側を知り尽くした著者ならではの魑魅魍魎の世界の描写はリアルで思わず引き込まれます。このあたりはさすがという印象。

ただ、そのだけに、物語の後半は残念な展開でした。伏線かと思われるような思わせぶりな内容が随所にあったのですが、クライマックスにおいて、「結局あれはなんだったんだろう」というような展開で終わってしまいます。引きこまれていた身が、いきなり放り出されてしまったような印象を受けます。

もう一つ残念だったのが、主人公のキャラクター設定。

基本的な設定として「正義感が強く、結果として、人に好かれる」ということだけで物語を展開していくので、いまいち感情移入がしにくい。それは、スクープを追う雑誌記者との関係だったり、香織との関係であったり、同僚の女性との関係だったりしますが、なぜ、彼のサイドに皆がよってくるのか、読んでいる側としていまいち説得力がありませんでした。例えて言うならば、気がついたら女性が助けてくれる課長島耕作』の世界のよう。このあたりはもう少し過去のエピソードを交えるなりで人物描写に厚みを増したほうが良かったのではと思わされました。


全体として個々のピースがそろっているのに、上手く出来上がらなかったジグソーパズルといったところでしょうか。このあたりは編集者の腕の見せ所でもあると思いますが、少々、残念な一冊でした。

*1
完全に忘れてましたが、みずほコーポレートの元頭取とテレビ東京の記者の密会がこの元ネタとしてあったようで。そう思うと、課長島耕作より、むしろ、黄昏流星群のようなストーリーの作り方だったようです。



告発の虚塔

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くるり ニューアルバム発売記念ツアー〜言葉にならしまへん、笑顔を見しとくれやしまへんやろか〜@日本武道館

先月のグループ魂以来、今年二度目の日本武道館にして、二度目のくるりLIVE。さらに言えば、くるりの四度目の日本武道館公演。(もちろん、皆勤賞です。)


まずは、本日のセットリスト。

無題
目玉のおやじ
コンバット・ダンス
ワンダーフォーゲル
鹿児島おはら節

MC

温泉
さよならアメリ
FIRE
犬とベイビー

MC

魔法のじゅうたん
麦茶

MC

飴色の部屋
青い空

MC

ブレーメン
Morning Paper

MC

東京レレレのレ
ロックンロール

Encore

ハイウェイ
旅の途中
キャメル
ばらの花
さよなら春の日
リバー
奇跡

アンコールを含め25曲と盛りだくさん。

さらには、アンコールの際に、ゲストで「ワルツを踊れ」のレコ発ツアー参加していたサスペンダーズ や世武裕子田中裕二も登場しました。

詳細なレポは別途書きますが、心から満ち足りた気分になれる充実のLIVEでした。

くるり ニューアルバム発売記念ツアー〜言葉にならしまへん、笑顔を見しとくれやしまへんやろか〜(詳細)

少し日が経ってしまったけれども、改めてくるりのレコ発ライブのレビューを。

今回のツアーは昨年夏に開催されたフジフジ富士Qでのライブで非常に相性が良さそうだったフジファブリックのギター山内総一郎を迎えての四人編成。

開演時間から10分程度遅れて現れたメンバーをみて驚いたのは立ち位置。

過去、くるりのLIVEは相当回数見ていますが、くるりのLIVEでの立ち位置順は、客席から見て左から、
「佐藤」「岸田」「(サポート)ギター」
となる場合が多かったはずです。

また、フジファブリックのLIVEにおいて山内総一郎の立ち位置は客席から見て右サイドにいました。

 ところが、今回のLIVEでは、左から「山内」「佐藤」「岸田」という形でした。これは正直意外な展開でした。

 意外といえば、序盤のセットリスト。LIVEの一曲目からインスト曲。しかし、音源未収録の楽曲。さらに二曲目に演奏されたのは「ワルツを踊れ」収録の「ハヴェルカ」。この時点で、「ものすごくマニアックなLIVEが繰り広げられるんだろうと、思わずニヤニヤしてしまいます。さらに「ワンダーフォーゲル」の後に民謡の「鹿児島小原節」を演奏する様子には笑うしかありません。また、期待していた山内ギターとの相性もバッチリで、嬉しくて仕方がない展開です。

 そんな人をくったような序盤戦の後、MCを二度挟み(このMCの内容もなかなかのものでしたが。 *1)ニューアルバム「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」からの楽曲を中心に演奏。

 そして、中盤戦から後半戦に向かう中、トラブルが発生。3度目のMC中、そして、新曲のキャメルの歌い出しのタイミングで数名観客が倒れ、一時演奏がストップします。(余談ですが、昨年11月Base Ball BearのLIVEでも数名が倒れてました。STUDIO COASTの換気にも問題があるような気がしました。)

 ただ、もうベテランの域に達しているくるりはトラブルも関係なく、LIVEを立て直し、さらに盛り上げて行きます。

  個人的に圧巻だったのは、13曲目の「ブレーメン」から「Morning Paper」「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」の流れ。

 とりわけ、「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」の際のギター二人のセッション(*2)は楽しくて仕方がない。数年前の張り詰めたのセッションではなく(ホント、大村達身脱退前のZEPP TOKYOでのLIVEでは「あ、解散するかも」と思いましたから。)、自分たちがLIVEを心から楽しんでいるようなセッションで、見ている側が嬉しくなってしまう程に充実してしまうものでした。

 そんなLIVEの一度目の締めくくりは「東京レレレのレ」。お祭りのトリを飾るような楽しいステージングでした。

そして、この日はアンコールも豪華。普段2アンコールでも三曲程度のことが多いのですが、今回は実に6曲。

まず嬉しかったのは、「ハイウェイ」を聞けたこと。LIVEの最中から「総ちゃんのギターのハイウェイは気持ち良さそうだなあ」と思っていたので、ものすごく得した気分に。

その他も、前述のセッションで演奏されたので今日はないかと思っていた「ばらの花」や新曲「旅の途中」など盛りだくさんの内容。

最後は「ロックンロール」で締めくくられた22曲のLIVEは、演奏している側も楽しそうで、そして、見ている側も心から楽しめる内容でした。

これは日本武道館公演も見逃せなさそうです。

 *1 東京スカイツリーの形がバッタの生殖器に似ているといった内容など。
 *2 「エリック・クラプトン」「ニルヴァーナ」「ばらの花」「ワールドエンド・スーパーノヴァ」を演奏、さらには久しぶりの岸田ダンスや「ヒゲダンス」までを披露。明らかにやっている側も笑ってました。