くるり ニューアルバム発売記念ツアー〜言葉にならしまへん、笑顔を見しとくれやしまへんやろか〜(詳細)

少し日が経ってしまったけれども、改めてくるりのレコ発ライブのレビューを。

今回のツアーは昨年夏に開催されたフジフジ富士Qでのライブで非常に相性が良さそうだったフジファブリックのギター山内総一郎を迎えての四人編成。

開演時間から10分程度遅れて現れたメンバーをみて驚いたのは立ち位置。

過去、くるりのLIVEは相当回数見ていますが、くるりのLIVEでの立ち位置順は、客席から見て左から、
「佐藤」「岸田」「(サポート)ギター」
となる場合が多かったはずです。

また、フジファブリックのLIVEにおいて山内総一郎の立ち位置は客席から見て右サイドにいました。

 ところが、今回のLIVEでは、左から「山内」「佐藤」「岸田」という形でした。これは正直意外な展開でした。

 意外といえば、序盤のセットリスト。LIVEの一曲目からインスト曲。しかし、音源未収録の楽曲。さらに二曲目に演奏されたのは「ワルツを踊れ」収録の「ハヴェルカ」。この時点で、「ものすごくマニアックなLIVEが繰り広げられるんだろうと、思わずニヤニヤしてしまいます。さらに「ワンダーフォーゲル」の後に民謡の「鹿児島小原節」を演奏する様子には笑うしかありません。また、期待していた山内ギターとの相性もバッチリで、嬉しくて仕方がない展開です。

 そんな人をくったような序盤戦の後、MCを二度挟み(このMCの内容もなかなかのものでしたが。 *1)ニューアルバム「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」からの楽曲を中心に演奏。

 そして、中盤戦から後半戦に向かう中、トラブルが発生。3度目のMC中、そして、新曲のキャメルの歌い出しのタイミングで数名観客が倒れ、一時演奏がストップします。(余談ですが、昨年11月Base Ball BearのLIVEでも数名が倒れてました。STUDIO COASTの換気にも問題があるような気がしました。)

 ただ、もうベテランの域に達しているくるりはトラブルも関係なく、LIVEを立て直し、さらに盛り上げて行きます。

  個人的に圧巻だったのは、13曲目の「ブレーメン」から「Morning Paper」「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」の流れ。

 とりわけ、「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」の際のギター二人のセッション(*2)は楽しくて仕方がない。数年前の張り詰めたのセッションではなく(ホント、大村達身脱退前のZEPP TOKYOでのLIVEでは「あ、解散するかも」と思いましたから。)、自分たちがLIVEを心から楽しんでいるようなセッションで、見ている側が嬉しくなってしまう程に充実してしまうものでした。

 そんなLIVEの一度目の締めくくりは「東京レレレのレ」。お祭りのトリを飾るような楽しいステージングでした。

そして、この日はアンコールも豪華。普段2アンコールでも三曲程度のことが多いのですが、今回は実に6曲。

まず嬉しかったのは、「ハイウェイ」を聞けたこと。LIVEの最中から「総ちゃんのギターのハイウェイは気持ち良さそうだなあ」と思っていたので、ものすごく得した気分に。

その他も、前述のセッションで演奏されたので今日はないかと思っていた「ばらの花」や新曲「旅の途中」など盛りだくさんの内容。

最後は「ロックンロール」で締めくくられた22曲のLIVEは、演奏している側も楽しそうで、そして、見ている側も心から楽しめる内容でした。

これは日本武道館公演も見逃せなさそうです。

 *1 東京スカイツリーの形がバッタの生殖器に似ているといった内容など。
 *2 「エリック・クラプトン」「ニルヴァーナ」「ばらの花」「ワールドエンド・スーパーノヴァ」を演奏、さらには久しぶりの岸田ダンスや「ヒゲダンス」までを披露。明らかにやっている側も笑ってました。