京都マラソン2012 体験記(4):本番編

 
 京都マラソン体験記の4回目は、当日の模様を。

 当日、前回記したような準備を行った後、7:10に河原町を出る阪急線でスタート会場となる西京極競技場に向かう。
 始発駅なので楽々座れたが、Twitterで四条での混雑を知り奥に移動しておくことに。

予想通り、四条を過ぎたら車内はラッシュアワーのような混雑。結局、西京極までの電車は遅れた上、ホームに電車が入るも外に出ることができない状態になり、スタート地点の西京極競技場への到着は7時半過ぎに。


 すぐさま荷物を預けた後はトイレに向かう。手前のトイレは大混雑していたものの、奥のトイレは比較的空いていたために無事に入ることができた。

 その後、スタート開始20分前に整列場所に向かう。その後、開会式が始まる途中から、スタート地点のメイン競技場に向けて歩き出す。そこで再度トイレに向かう。(結果として、途中トイレに立ち寄らないで済んだのでこの判断は正解だった。)

 そして、午前8時半にスタートの号砲がなり、その後約7分(性格には6分46秒だった模様)過ぎてスタート。

走り始めてからの印象は、少し体が重くてスピードが出ないというもの。実際2km地点でのタイム(1キロ地点は見逃しました)は13:50で、予定より1分近く遅いタイム。「残り後40km」という沿道のプラカードに苦笑させられつつ、少しペースをあげようとする。

しかし、混雑もあり、それ程ペースを上げられず3kmで20:40、5キロ地点も33:45で通過することに。予定では5キロ32分で入ろうと思っていたので、2分近いロス。

過ぎたことは仕方ないと思いつつ、次の5キロでは想定ペースとなるように少しペースを上げる。ところが、スタートから52分、約8キロ地点でアクシデントが。
ランナーストップで、前に進めなくなる。

 周りの人が言うには、どうやら緊急車両が通るとのこと。脇からすり抜けていこうとしている人や、「走らせてもらえるだけで感謝せな!」といっている森脇健児を横目に「仕方がない」と、ストレッチして待つことに。

 結局、ランナーストップは5,6分した後に解除。誰かが言った「気を取り直そう!」という言葉に歓声を上げつつ、再度走りだす。
その結果、5-10キロのラップタイムは38:09を刻む結果となる。(ちなみに、このマラソンで一番悪いラップ)

 その後の10-15km地点では沿道にいる妻と昔の上司を探しつつ走る。途中、仁和寺前のお坊さんの応援に驚きつつ、龍安寺手前で応援にきていた妻と一言話し
その後、きぬかけの路を右折、13キロ付近で沿道に応援にきていくれているという昔の上司(現在、京都勤務)を探す。(…残念ながら、こちらは見つからなかった)。結局、この5kmは31:35。予定の31:30とほぼ同じペースとなる。
(残念ながら、見当たらず)5kmで31分強のペースで走る。

15km-20kmでは沿道で801ちゃんの姿を見かけ苦笑したり、賀茂川近くで先行するランナーの走りを見ながらペースを守ることに専念。結果、5kmを31:12でまとめる。

20kmを過ぎ、賀茂川から離れ、京都マラソン最大の難所である狐坂に向かう。狐坂まで下り坂ということでゆっくり足を蓄えて進む。途中ですれ違うランナーのフォーム等を勉強しながらいざ、坂へ。

狐坂は予想以上の勾配。地元での練習で比較的坂に慣れていたので勾配はまだよかったのだが、想像していなかった道の傾斜が足の負担となる。「これは…」と一瞬めげそうになる。と同時に、「山の神じゃなくても、(箱根駅伝の)山を走っているだけで神だろう。東農大の彼、すごかったんだな。」等と思いつつ、
淡々と走ることに。あきらめモードで歩くランナーがかなりいたので、ここで順位を上げることに成功する。

その後、国際会館で折り返した後、24kmのエイドで八つ橋が配られているのを発見。受け取ろうかと悩んだものの、受け取らずに進む。トンネルを過ぎ、下り坂に向かう途中で25kmのポイントに。この5kmも31:27程度。ここでは32:30位まで落ちることを想定してので、少し早すぎた計算。

 25kmからの5kmは下り坂から始まる。ここはゆっくり下らないと足に来るだろうなと思い、意識してペースを落とす。「初マラソンで歩き始めてしまったのはこの5km位からだ」と思い、無理をせずただ走り続けるように意識をする。

 そして、この5kmで初めて体に痛みが。それは「目」。他のランナーが沿道の私設エイドから借りていたエアーサロンパスが目に。少しめげそうになる。と、同時に少しずつ右膝に痛みを生じはじめる。結果、この区間は31:19と想定とほぼ同タイムで通過。

 この時点でタイムは約3時間20分程。

 目標としていた4時間半は難しそうだけれども、最低ラインとしていたグロスタイムで5時間以内、ネットタイムで4時間45分以内はなんとかなるかなあと考え、引き続きする無理せずを心がけることに。

 痛みが増してきた32km地点でアクシデントが。その原因は疲労回復を目的としたブドウ糖キャンディー。欲張って2つ同時に口に入れたらむせることむせること。お陰で余計な体力を消耗する。吐き出すわけにも行かないので次のエイドの給水の紙コップに入れまとめて捨てることに。

 そんな32km地点から36kmの手前までは鴨川の河原。膝が痛い身としては土で助かったなあと思いつつ、無理をしないように走り続ける。
35kmまでも一度も立ち止まることなく、32:45のラップで通過。想定より45秒は遅れたものの、この時点で4時間45分はいけるものと期待。あとは体力次第で4時間40分になるかも等と考える。
期待する。

 そして、前回のマラソンで43分かかってしまった35-40kmへ。この時点で膝の痛みはかばっていた左足にも発生。痛いものは仕方ないので、前回の反省を生かし、中途半端に歩くことはせず、止まる場合は膝をマッサージするために止まるか走るかのメリハリをつけていこうと方針を決める。

 そして、ここで痛みと疲れを紛らわすために最終兵器を取り出す。それは、ランナーとしてテンションが上がりそうな曲、もしくは自分が特に好きな楽曲を収めたおいたiPod Shuffle。電源を入れまず流れてきた一曲目は「浪漫飛行」。懐かしいなあと思いつつ、心が静まる。そして、この作戦は成功だと内心ほくそ笑む。

 しかし、好事魔多し。次に流れてきたのは布袋寅泰の「スリル」

自らタイツを履いていることもあり、思わず気が高ぶり、心拍数が上がる。結果、無駄にペースを乱し足が痛くなる。正直、選曲を間違えたと思い、途中で次の曲に移る。

 3曲目に流れてきたのは爆風スランプ「旅人よ」。猿岩石の応援歌。数年ぶりに聞くこの歌が心にしみ、少し泣きそうになる。正直、ゴールよりなりよりこの曲に感動していた。「彼らが旅していたことから比べると自分も倍の年齢になったんだ」としみじみ考えつつ走ったり止まったりする。

 続けて流れてきたのは、「Runner」。これまたテンションがあがるも足がついていかない。

 そうこうしているうちに気がついたら37−38キロ地点。出町柳の手前の京都大学周辺までたどり着く。そこで、すれ違うランナーをみると京大で若い女性が何人もハイタッチしてくれるゾーンを発見。「羨ましいと思いつつ、これをせがんだらどうなんだろう」等と、むっつりすけべなことを考えて気を紛らわせながら
ほぼ1kmを7分ペースで進む。(結局、照れくさくてできず仕舞い…。)

 後半、ストレッチが長くなり時間をロスしたけれども、鬼門だったこの5kmはなんとか35:40程度でまとめることに成功。4時間40分は難しいが、45分はクリアできることが確実な状況になる。

 ただ、最後の2km強は足は限界。気力が試されると思いつつも、数度歩いてしまう結果に。そして、ゴール地点の平安神宮にたどり着く。ゴール直前にあった「足の痛みは気のせいだ」の垂れ幕に「気のせいじゃないし!」等と心の中で突っ込みつつ、くるりの「ワールズ・エンド・スーパーノヴァ」をBGMにゴール。
手元の時計では4時間41分40秒、正式タイムでは4時間41分38秒で人生2度目のフルマラソンを終えました。


(参考:記録)
Start 00:06:46
5km 00:40:31 0:33:45
10km 01:18:40 0:38:09←ランナーストップ
15km 01:50:15 0:31:35
20km 02:21:27 0:31:12←最速ラップ
中間点 02:28:07 0:06:40
25km 02:52:54 0:24:47
(20-25km) 0:31:27
30km 03:24:13 0:31:19
35km 03:56:58 0:32:45
40km 04:32:38 0:35:40
Finish 04:48:24 0:15:46