ドラッカー流最強の勉強法/中野明
「もしドラ」に始まるドラッカーブームに対し、何か変化球の一冊を読もうと思って買ったものの数カ月間積ん読状態で放置してしまっていた一冊。
本書は、ドラッカーの著書の中から、自らの学習法についてドラッカーが記した内容を著者の解釈でまとめた一冊となっており、
第1章 長距離型勉強のすすめ
第2章 勉強テーマはこうして決める
第3章 目標をマネジメントせよ
第4章 時間をマネジメントせよ
第5章 「何をしないか」を決めよ
第6章 徹底的にインプットせよ
第7章 勉強の成果はアウトプットできまる
の全七章で構成されております。
また、簡単に要旨をまとめると、
- 知識社会においては知識のメンテナンスとアップデートのため、継続的な学習が求められる。
- 学習はその内容に応じ「3カ年」と「3ヶ月」に分けて考える。
- 勉強のステップは「勉強のテーマを決める」「勉強の計画をたてる」「インプットする」「アウトプットする」の4つに分けられる。
- 勉強の計画を立てるステップにおいては「目標を決める」「達成度を検証し、管理する」「時間を有効に管理する」の3つが大事である。
といったことになり、2章から7章において、具体的な手法が描かれております。
個人的には、第二章までの内容は面白かったです。例えば、「強み」「機会」「価値観」がポイントだと位置づけたドラッカーの勉強テーマの設定方法の中で描かれていた機会の発見方法といったものは、示唆に富む内容です。
- 新しい現実を看破する = 「通念に反することで、既に起こっていることは何か?」
- 新しい現実の証拠を問う = 「その変化が一時的なものではなく、本当の変化であることを示す証拠はあるか」
- 新しい現実を前提に未来を考える = 「もしその変化に意味と重要性があるのであれば、それはどのような機会をもたらしてくれるのか」
という3つのステップについて、具体例を交え、説明しているところなどは、自らのアイデアをひねり出す際の参考になると思われます。
ただ、第三章以降の具体的なノウハウレベルになってくるに連れ、本質的なドラッカーの考えや行為というよりは著者の実体験に基づいた内容に変化してしまっているのが、残念なところ。これらの章については、小見出しと最後にあるまとめを参照すれば十分でしょう。
テーマ設定も大枠も良かったのだけれども、細部まで気が回らなかったオシイ一冊でした。
- 作者: 中野 明
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: 新書
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