おゆとりさま消費

20代前半の相手とのする世代間ギャップを感じた時にとりあえず使う「ゆとり世代」という言葉。

「バブル世代」と同様、世代間ギャップを表現する際にこれ程わかりやすい言葉はないと思いつつ、実際、「ゆとり世代」の特徴がどこにあるのかよく知らないな、と感じ購入した一冊。

 著者はマーケッターとしてゆとり世代の若者たちと接する中で、彼らを

と分類します。

また、ゆとり世代に共通する特徴として

  • 脱競争主義
  • 双方向メディアとの接触
  • ゆるいつながり

を挙げ、様々な消費シーンにおいて、彼らがどの様に行動するかを実例をあげ、論説しております。

一般的にテレビや新聞で言われているような「ゆとりな」内容にととどまらず、

  • 身近なコミュニティを重視し、コミュニケーションを求める特質
  • 百貨店の商品展開に見られる親子関係
  • 独自の「オトク」な感覚

等、意外な特質が描かれており、予想以上にリーズナブルな考え方をとっている印象を受け、むしろ、30代以上の世代の方が学ばなければいけない点も見受けられました。

 とりあげる実例・データの採用時期がまちまちであったり、世代ごとに三分類した「ゆとり世代」の違い、区別なく本文中で記してしまっているために、読み手が少々混乱を引き起こす等整理学上の問題は見受けられましたが、(これは編集者のスキルの問題が多分にあるでしょうが)外観としての行動様式は大枠で理解出来る一冊でした。

「おゆとりさま」への接し方に悩む人の一助にはなるかもしれません。