踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!@TOHOシネマズ六本

2週間ぶりのブログ更新、ということで踊る大捜査線の最新作を初日に見てきました。以下、ネタバレも含まれますが、簡単にあらすじと感想を。


新湾岸署への移動に伴ない混乱が発生している中、バスジャックや銀行強盗等、複数の事件が発生します。湾岸署のメンバーが事件捜査にあたり、湾岸署内がさらに手薄になる中で、盗難事件が発生し…というストーリー。


結論を先に言うと「散々待たせておいて、これなんですか?」という出来。一度解散した往年の名バンドが再結成したものの当時の輝きは取り戻せない、といった趣きでした。


もう少し具体的に言うと全体的な作りが「雑」だということ。踊る大捜査線の魅力の一つは、小道具に至るまでのディテールの細かさとそこから生まれる「必然性」だと個人的には思っております。


他方、今作に関して言えば「とりあえず、今までの出演者や犯人をみんな(水野美紀は除く)出しておけばいいんだろう、コアなファンにはたまらないはずだ」という意図が透けてみえて仕方がありませんでした。(なぜ、岡村やゴローちゃん、伊集院光が出てくる必要があったのか…等々。 *1)


また、スポンサーとの関係で、ストーリー上「おいおい」となるようなシーンが複数存在します。(医療刑務所に入っていたはずの小泉今日子がなぜがエクスペリアを操作しているとか)


大人の事情もわかりますし、興行収入をあげるには一度しかこないライトファンよりもコアなファンを重要視した作りをすることが大事だということも理解してますし、プロダクトプレイスメントも大いに結構だと思います。ただ、そこにはストーリー上の必然性を見出すか、もしくはストーリーに全く関係ないかはっきりして欲しいわけです。


例えば、水野美紀に関して言えば、大人の事情で出演できないにしろ「ユースケ・サンタマリアと結婚し、産休に入っていることがわかる」描写が欲しいわけです。引っ越し準備中の青島の机の中年賀状が一枚入っているだけでいいので。

また、小泉今日子のシーンについても犯人が携帯電話を要求するだけでそのシーンの必然性が保たれると思うわけです。

しかし、本作については、ストーリー展開が微妙であった以上に、そういった気配りが正直欠けておりました。

 
相変わらずのスリーアミーゴスの面白さや小泉今日子の演技等、面白かった点はあるにせよ、根底的なところでがっかりさせられる作品でした。


これだったら、「交渉人真下正義 2」とかの方が良かったなあ…。

 *1 ゴローちゃんはワンシーンのみの出演にもかかわらず、エンドロールでヘアメイクが付いているという(他には、織田裕二深津絵里の両名のみ)まさかの待遇で笑わせてくれるという価値がありましたが。