くるりライブ興行2010〜地獄の団体戦〜@NHKホール(ライブレポ)

 先日のセットリストに続き、昨日行われたくるりのライブレポを。
2007年の「ふれあいコンサート」以来となったNHKホールでのくるりのライブは一人で参戦しました。

 開演10分程前に会場に到着し、座席へ。ステージ上のスクリーンはファンや自分たちが撮影した写真のスライドショーが。ぼんやりと写真を眺めつつ、昔を思い出しながら、開演を待ちます。(*1)

 そうこうしつつ開演を待っていましたが、開演時間を約10分過ぎたところで、何の前触れもなくメンバーが登場します。あまりにフッとやってきたので、ローディーかと思い、反応が遅れるくらいの登場。ステージ上にキーボードがあったけれども、BOBOを交えた3名での登場でした。

 いつものように「こんばんは、くるりです」の挨拶の後、一曲目に演奏されたのは予想通り「東京レレレのレ」。桜吹雪を降らせる演出の中、ライブはスタートしました。(*2

 間髪入れずの二曲目は「ノッチ5555」ワンダーフォーゲルの初回限定盤にしか収録されていなかったレアな一曲です。ストレートなギターサウンドに身を委ねつつ「もしや、このライブはカップリングベストの収録曲しかやらないのでは」という予感がします。

 そして、その予感は3曲目の「サンデーモーニング」の後のMCで的中します。シングル曲をやらないという宣言の後は、まさかの新曲4連発。3曲目の「麦茶」というタイトルには会場から失笑が起こります。

 しかし、意外や意外?この「麦茶」が良かった。決してシンプルではないんだけれども、すっと心の中に入ってくる感覚。と同時に思ったのは、最近のくるりの楽曲が「民謡」に向かっているのではないかということ。「一般的ではないんだけども普遍的な楽曲」、そのような感覚を新曲を聴いていて感じました。

 ただ、この普遍的の部分は再度カップリング曲からの演奏になった時に見事に裏切られます。

まさかの「ガロン」(*3)、そして、自らもなんでこんなマニアックな曲を「ばらの花」のカップリングにしてしまったんだろうという「イメージファイト」まさかの楽曲二連発に「どんだけ一見様お断りなセットリストだ」と苦笑せざるを得ませんでした。

 その後は佐藤ボーカルの「BLUE NAKED BLUE」。再度MCを挟んでの演奏は「春風」のカップリング曲の「ギター」。原曲の「図鑑買ったよ」の下りは「僕の住んでいた街」バージョンになってました。

 続いてはライブでカッコいい「The Veranda」。そして、「さよなら春の日」を挟んで演奏された「すけべな女の子」。これが素晴らしい。3人編成でこんな音が出るのかと思うほどに重厚感を帯びたグルーヴはまさに鳥肌モノ、いまだに進化することに驚くしかないといった感じで、演奏終了後は物凄い量のスタンディングオベーションが発生しました。

 そして、会場からの「一位おめでとう!」の歓声に応え、「僕の住んでいた街」がオリコン1位(おそらく始めてでは?)になったとのMCを挟み、終盤戦へ。(*4)

 「ベーコン&エッグ」「pray」と比較的最近の楽曲を演奏した後は、来月発売するシングル曲「魔法のじゅうたん(絨毯?)」を。

この曲は掛け値なくいい曲。別れや弱さを綴った歌詞とメロディーがマッチした楽曲で、日常の何気ない風景を特別な「シーン」に変えてしまいそうな叙情的な楽曲でした。

 本編最後の一曲は過去ライブで聞いたことがない「地下鉄」。今まで、そこまで印象になかった曲でしたが、『地下鉄の階段』で始める転調部分のベースがメチャクチャカッコよかった。次第にボリュームを上げていくベースのリズムに聞いている側の気分も高揚させられました。

 アンコールは佐藤社長のやけに流暢な物販に始まり2曲。一曲目はこれまた珍しい「サマースナイパー」。そして、ラストはライブの定番「尼崎の魚」でした。

 約2時間のライブは、過去30回は見てきたはずのくるりのライブでも聞いたことがないような楽曲のオンパレードで本当に「一見様お断り」でしたが、これからもまず聞けないだろう楽曲を聞けたという非常に貴重なものでした。さらにいえば、新曲も楽しみだし、あれほどの「すけべな女の子」を聞けただけでも見に来た甲斐があったと思われます。

 ただ、少しはシングル曲を聞きたかった…帰りは「ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER」を聞きながら帰ってきました。

(*1) はじめてくるりのライブに行ったのは日比谷野外音楽堂で行われた〜TEAM PARTY 200,000,001〜。実に9年前のことだなあ等と考えてました。そして、人の事言えないけど、客層も心なしか上がってきたなあ等と思ったりも。

(*2)紙吹雪を降らせすぎてしまい、一度目のMCでローディーが2名体制で(主にドラムを)掃除してました。

(*3)キーボードは(ほぼ)このためのセットでした。その他鉄琴とか、弦楽器とか色々出てきてました。

(*4といっても後ほど調べたら、初動は2万枚強。A面ベストの「ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER」は当時オリコン3位でも初動10万枚程度だった記憶があるので、やはりCDが売れなくなってきているんだなあと実感させられます。

ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER

ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER