吉田秀彦引退興行〜ASTRA〜(前編)

日曜日、日本武道館まで「吉田秀彦引退興行〜ASTRA〜」を見に行ってきました。
8年前に国立競技場で行われたDynamite!でのホイス・グレイシーとのデビュー戦を含め、過去数度にわたり観戦した吉田の戦いもこれで見納め。

 開演予定時刻の16時少し前に入場した時点で5割程度の客の入りで、最終的には7−8程度の客の入でした。対戦相手も含め、やや地味な対戦カードだった影響があったのかもしれませんが、桜庭とともに格闘技ブームを作った第一人者の引退としてはやや寂しい感じ。

 ただ、実際のカードは相当にアツかったです。

 第一試合の長倉VS毛利戦におけるKO劇で幕を開けた大会の前半の山場は第三試合。2008年のDynamite!!所英男を破った中村大介天突頑丈のカード。

 第一ラウンドの序盤、経験にまさる中村がいきなりテイクダウンし、パンチの連打で始まります。その後、天突がマウントをとるもすきを見て中村が関節を取りに行く熱い展開。第二ラウンドも中村が試合をコントロール。的確にストレートをヒットさせつつ、寝技に持ち込んで腕を極めにいきます。
この時点で完全に中村の試合かと思わました。
 
 しかし、第三ラウンド、天突が反撃に出ます。明らかにスタミナが切れてきた中村に対し、天突がフックを当て始め、中村の足元がぐらつきます。「もしかしたら逆転KOがあるのか」と思わせる展開。結局、うまく中村がかわしきって大差の判定勝ちとなりますが、非常に見どころのある試合でした。

 次の第四試合はかみ合わない展開となり、少しテンションが落ちるも、第五試合で無名の韓国人チャ・ジョンファンがスーパーマンパンチでダウンを奪い、長南亮相手に見事なTKO勝ちを見せ、会場を沸かせます。

 休憩後、サプライズゲストが登場。まさかのヒョードル。Prideの全盛期を思い出させるスーパースターの登場により休憩で落ち着いた会場のテンションはいきなりヒートアップさせられます。

 そんな中、第六試合で登場したエンセン井上が見事な試合を見せます。6年ぶりのブランクを感じさせないテクニックで、2分足らずで一本勝ちを見せます。これには驚きました。

 セミファイナルの第七試合は吉田道場の小見川とアメリカントップチームのミカ・ミラーとの対決。試合自体は小見川が攻める展開で進んでいましたが、身長差を生かしたミカ・ミラーの試合運びが非常に巧みでした。スタンドでの距離感、グラウンドで下になった時のディフェンス等、若いながらも試合巧者ぶりを見せつけてくれました。試合自体は小見川の判定勝ちでしたが、上手さという点でミカ・ミラーの技術が光った試合でした。

 そして、いよいよ、メインイベント、吉田戦を迎えることになります。続きは後編で。