Story Sellers 2/新潮社ストーリーセラー編集部

 この10日でStory Seller・Story Seller2・サクリファイスと三冊の文庫を読み終えたので、その内容を少しレビューすることに。

まず、7名の小説家によるアンソロジー集であるStory Seller2について。Story Seller自体は前々から本屋で見かけて気になっていたもののなぜか手を伸ばさずにいた本。ただ、今回は前作よりも好きな作家と気になっていた作家が多かったので購入することにしました。

 まず、読み始めたのは伊坂幸太郎の短編「合コンの話」。幹事がドタキャンをした合コンに出席した男女6名をめぐる短編小説だけれども、これがいきなり面白い。3対3の合コンというありふれた設定に少し現実離れした設定という小石を投げ込むことでストーリーを成立させている本作は、伊坂幸太郎らしいテンポの良さでストーリー展開が進みます。どうなるんだとワクワクしながら読み進め、そして、読み終えた段階では、ほっこりとした気分にさせられる一作でした。三谷幸喜監督の映画にも近い印象で非常に読後感がいい一冊でした。

 その他の中編小説も秀作ぞろい。中でもサクリファイスの番外編、初代アシスト「赤城」を描いた近藤史恵レミング」(もっとも、サクリファイスの番外編だと知ったのは同書を読んでからですが)や、血の繋がらない親子の不思議な愛情を描いた「日曜日のヤドカリ」等、一気に読み進めてしました。

 このアンソロジーは当たりだぞと思い、そのまま前作のStory Sellerを購入してしまいました。

 ちなみに、1と2では連作になっているものがあるので、まずは1から読み進めることをオススメします。


Story Seller〈2〉 (新潮文庫)

Story Seller〈2〉 (新潮文庫)

Story Seller (新潮文庫)

Story Seller (新潮文庫)