バイアウト/幸田真音

 先日の貸し込みに続いての経済小説村上ファンドをモチーフにしたTOBによる買収合戦についての本。

 実際にTOBの書類を作成したことのある立場からすると、描写が全般的に雑で、きちんと裏取りをして作成したのかという所。「神は細部に宿る」ではないけれども、読んでいて強く違和感を感ざるを得ません。

 また、この手の経済小説にありがちではあるのだけれども、買収合戦のオチの段階で急にヒューマンドラマに変わってしまうのも残念なポイント。

 書店で何とはなしに手にとって購入したのだけども、Amazonの単行本のレビューを見ておけばと思わざるをえない一冊。真山仁のハゲタカ2と同名だけれども内容のレベルは全く異なりますので、ご注意をといったところ。

 久しぶりにここまでの本を読んだなあ…。