映画:ハゲタカ

 映画「ハゲタカ」を見に行ってきました。

 今回のハゲタカは日本の自動車メーカーを買収しようとする中国系ファンドの「赤いハゲタカ」と日本のハゲタカ「鷲津ファンド」との戦い。

 結論から先に言うと、最終的な鷲津ファンドの逆転劇は面白かったですが(手法としては「トップ・レフト―都銀vs.米国投資銀行」に近い印象)、買収ドラマと言う点ではストーリー展開、リアリティの両面で、テレビドラマ版に比べ、少々物足りなさが残りました。

 相変わらず特に何もしていないのに評価される柴田恭平の立場はいいとして、中盤のTOBの価格吊り上げ合戦のあたりは正直、物語として平坦な印象を受けました。(もっと「寝技」や「直接対立」のような要素があると面白かったかもしれません)

 その一方で思ったのは、今後、日本の企業を買収に来る中国企業やファンドは間違いなく増えるだろうなと言うこと。特に製造業における「生産技術」やメディア業界におけるの「原作提供力」といった分野(これらは日本が得意とし中国が苦手としている分野だと個人的には認識しておりますが)に対して、さまざまな形での資本参画が見られるのではないかと考えております。(それがいいことなのか、悪いことなのかはわかりませんが)

 そういった意味で、今後の世の中を先読みした興味深い映画になっていると思われ、それだけにもうひとつふたつひねりがほしい作品でした。