書評/この「社則」、効果あり。/柳澤大輔

 面白法人カヤックの創業者であり、代表による一冊。

 7社+おまけで構成されている本書は、大きくわけ、

  • 他社のユニークな社則や制度の紹介
  • 自社の社則や制度の紹介、並びにルールを制定した理由の解説

 が描かれております。

 その中でも面白いのはやはりカヤック自体のルールの話です。

 「つくる人を増やす」という経営理念、「何をするか、誰とするか」といったモットー、「さいころ給」や「旅する支社」といった仕組み等は、日経PCオンラインで連載されている「面白法人カヤックのいきかた」にも書かれていますが、書籍を通じて読むことで、改めて確固とした軸の存在と、その元となる「自分軸」の強さの大切さを感じさせられます。

 と、同時に、あくまで法人も「人」であり、「人」であるからには、きちんとした価値観をもち、その価値観に従って行動しなければいけないということを意識させられます。

 そして、このことは「人」や「法人」といった単位ではなく、部署やプロジェクトチーム等の、あらゆるサイズの組織を運営する際にも大切だと思わされます。また、本書では、実際に一つ一つのルールに理由や効果等が解説されているので、運営のシーンにおいても一つのヒントとできると思っております。

 そのような意味で、あらゆる組織を運営する人にオススメできる一冊です。