映画:ガチ☆ボーイ

 先月見た予告編が面白そうだった「ガチ☆ボーイ」を遅ればせながら見てきました。今回は渋谷のアミューズCQNで観賞。200席くらいのキャパシティーに対し、実際の客数は4割程度の入り。日曜日の午後にしては少し寂しいのではと思いつつ、本編へ。

 ストーリーを大雑把に言うと以下のような感じ。

 エースレスラーが辞めてしまい下火になっている大学のプロレス同好会に主人公の五十嵐(佐藤隆太)が入部。中々技を覚えられない上、デビュー戦では、途中で「段取り」を忘れてしまいガチンコで試合をしてしまう五十嵐。ただ、その試合が客や学生プロレスの団体からは受けてしまい人気者となり、ついには学生プロレス団体のチャンピオンとの対戦に発展していくことに。その一方、五十嵐が物覚えが悪い理由である「高次脳機能障害」と障害が生み出す苦悩が明らかに。周囲の反対を押し切り、プロレスに打ち込む五十嵐。そして、学園祭にてチャンピオンとの対戦に向かっていき・・・。

 正直、ストーリー展開としてはスポーツものに比較的良くあるパターンですし、学生プロレスとはいえ、俳優の肉体はプロレスをやるにはつらいだろうという部分はあります。(プロレスシーン自体は良くできています。練習したのが伝わりますし)

 ただし、映画館で映画を見るスタンスが「観賞」から「共感」を生むための場に変わってきている(*)流れの中では、非常に正しい作品だと思いました。

 程よいバランスで感動と笑いが織り交ぜられ、感情移入もできるオススメの作品でした。

 ちなみに、今回少し気になったのが、公開直前のプロモーション戦略。

 最近の映画でよく有るパターンだと思いますが、公開前後に佐藤隆太を中心としたメンバーが様々なテレビに宣伝目的ででていました。成功のための方程式なんでしょうが、個人的には特に今回のガチ☆ボーイに関してはそれほど上手く以下なったのではないかと。

 テレビシリーズで伝対していたような作品でもないし、短時間の映像で見せる作品でもなく、作品自体のストーリーとクオリティで魅せる作品なのだから、もっとネットやモバイルを活用したバイラル戦略をとることができなかったのかと残念です。

 冒頭の客の入りもそうですし、実際、250館近いスクリーンで上映しているのにも拘らず、公開二週目の週末時点で興行収入が2億円にも満たないという状況を見るとそう思えてなりません。

 とはいえ、作品の出来には関係のないこと。作品自体は、プロレス好きでなくてもオススメですので、ぜひ。

*このあたりは今、仕事の関係もあり何冊か本を読みつつ思うところがありますので、別のエントリーでまとめることとします。