書評:本を読む本/M.J.アドラー C.V.ドーレン

 先日の週刊ダイヤモンドで紹介されていた勝間推薦本の一冊。60年以上前に初版が刊行された読書の読み方に関する本。

 読書のレベルを下から

 の4つのレベルに分類した上で、第二のレベルの「点検読書」と第三のレベルの「分析読書」の手法について、中心的に解説を行っています。以下、少し備忘を含めた解説を。

  1. 点検読書とは?

限られた時間内で書籍についての概要を知るための読書手法。目次や索引、解説、帯なども活用することである本について「どんな種類の本か」「全体として何を言おうとしているか」「どのような構成で概念や知識を構成しているか?」の3点について抑えることを目的とする。

2.分析読書とは?

…「理解を深めるために行う」読み手として徹底的に可能な限りの高度な読書。内容としては主に3つの段階にわけられる。「本の内容を詳細に知る」「内容を様々なレベルで理解する」「正しく批評を行う」というのが具体的な内容であり、各段階でさらにいくつかのステップに分類される。(単語を理解するのか、文を理解するのか、といったレベルの違い)

 普段の業務で言えば、点検読書の手法が役に立つという印象。限られた時間の中で業界の特徴を知り、自身の知識や経験を元に組み合わせる業務の効率化に改善できるのではないかと感じました。

 表現が抽象的で分かりにくい部分があり、文章として読みやすくはないのですが、書籍としての構成が非常に分かりやすいので、後から読み返しやすいのもGoodです。

 ちなみにシントピカル読書とは複数の同様の主題を持つ本を読み比べて理解を深めるというもの。ただ分量が少なく、手法として意識して行うのは難しい印象があるので、当面は点検読書の手法からマスターしていければと思います。