書評:アキバが地球を飲み込む日 秋葉原カルチャー進化論/アキバ経済新聞編

 アキバ経済新聞の記事を中心に、3つの視点から書かれている書籍です。

  • 萌えるアキバ ・・・「フィギュア」や「音楽」を中心としたアキバカルチャーについて
  • 遊園地化するアキバ・・・「観光地」としてのアキバの存在について
  • 巨大化するアキバ・・・再編される家電小売業とアキバの状況並びに、アキバの都市計画

 といった形で、この数年にかけアキバに何が起きているのかといったことについて述べられております。

 地域ニュースを発信する「みんなの経済新聞ネットワーク」だけあって、紹介されている事例は実に具体的。ニュースの特集コーナーで報道されるよりも内容は詳しく、それこそ、メイド喫茶の店舗ごとの特徴や、「エアーマンが倒せない」についてまでかかれております。今、秋葉原で何が起きているのかについてはかなり理解でき、久しぶりにアキバに行ってみないとなあと思わされます。(東京の西側に住んでいるとなかなか足を運ぶ機会がないのですが。)

 そう思わされる反面、残念な点が2点。「年表の形でのまとめがないこと」と、「記事に掲載されている店舗の地図情報がないこと」。地域との密着を打ち出ているアキバ経済新聞だからこそ、もっと詳細に「アキバで何があったのか」「アキバで何があるのか」についてまとめ上げて欲しかった気がします。それこそ、観光マップのような形で。

 もっとも、雑多さや不自由さを含め、自分なりにアキバを楽しめばいいのかもしれませんが。