映画:涼宮ハルヒの消失@バルト9

 先週の金曜日、行こう行こうと思って行きそびれていた涼宮ハルヒの消失を見てきました。公開から2ヶ月でしたが、バルト9で2番目に客席数が多い6番スクリーンでの公開。一日2回上映とはいえ、未だにある程度の客数が入ると見込まれれているのに驚きつつの鑑賞。

 結論からいうと、ハルヒシリーズを読んだことはおろか、きちんとアニメを見たことすらなかった立場でも楽しめる作品でした。

 登場人物のキャラクターがわかりやすいと言う理由もあるにはあるのですが、それ以上にきちんとしたストーリーと丁寧な作りであったというのがその理由。

 基本的なストーリーはタイムスリップもの。ハルヒに振り回される役回りの役のキョンはある朝目が覚め、普段どおりに学校に出かけます。ところが、学校で辻褄があわないことがいくつか存在し、自分自身が異なる世界にいることを知ります。その後キョンは混乱しつつもいくつかの手がかりを得て、彼は元の世界に戻ろうとする、といったストーリー。途中、独特な言い回しもあり一部理解し切れない部分がありましたが、(元々のバックグラウンドを知らないからかもしれませんが)きちんと伏線が回収され、後味のいいエンディングを迎えます。このあたりは実に見事。キャラクターの方が知られている作品ですが、ストーリーも見事。

 また、キャラクターについても作り手がキャラクターの魅力を知った上で書かれているなあと思わせる仕上がり。ジブリ作品のような派手な動画はないですが、細部の描写を見ると丁寧に作られているのがよくわかります。このあたりの技術の高さは、さすが京都アニメーションといった所。

 一方、聞いたところでは興行収入も6億円を超え、8億まで見えるかもというとの話を聞いております。この後のDVD/BDビジネスを考えると、間違いなく映像ビジネスとしても成功を収めることでしょう。

 先週末にIGポートが下方修正を出して通期赤字転落を発表する等、アニメビジネスがキツイ状況の中で、過去の積み重ねがあったとはいえ、こういった正攻法の成功例が出てくることは非常にいいことでしょう。

 もうちょっとだけ公開しているようなので、まだ見ていない人はぜひご鑑賞を。