2012@新宿ピカデリー

 遅ればせながら、2012を見に行ってきました。

 感想を簡単に言うと「久しぶりに『ザ・ハリウッド』な映画を見たなあ」ということ。

 CGをフルに活用した壮大な映像と世界を救うヒーローと家族を救うヒーローによるわかりやすいストーリー展開は観客を飽きさせません。とりわけ、世界が崩壊していく様を描くCGのクオリティと迫力にはハッとさせられます。とりわけ、リムジンや飛行機で間一髪機器を切り抜けるシーンの臨場感は思わず声を上げてしまいそうになるほどの迫力を持ってました。

 この映像を楽しみに行くだけで映画館にいく価値はあります。
 
 一方で、単純な『ハリウッド映画』かというと、そうではありません。

 確かに、基本的なストーリー展開は大味ではありますが、アメリカから見た『世界』の描かれ方という点で非常に興味深い描写が随所に見られました。

 まず、国家の存在感という点で言えば、ヨーロッパや日本といった旧来の先進国の影が薄いのに対し(ソニー・ピクチャーズの映画だけあって日本は多少描かれてましたが。)中国とロシアの存在感が強まっているのがなるほどと思わされます。

 そして、それ以上に示唆に富んでいたのがラマ僧の描写。慌てふためく群衆に対し、悠然と構えるラマ僧の姿には何重もの意味が投影された板だろうと思われますが、こういった描写は過去のハリウッド映画にはなかなか見られないだろうものであり、映画に奥行きを与えておりました。

 すでに公開からひと月半近く経過しているためやっている劇場は少ないかもしれませんが、見て後悔しないオススメできる映画でした。