フジファブリック志村さんの訃報

decchy2009-12-26


僕がフジファブリックを知ったのは今から約5年前、奥田民生が広島球場で行った「ひとり股旅」のDVDででした。

彼がカバーした桜の季節を聞いて、その言葉選びのセンスの良さに驚かされました。

初めて見に行ったライブは2005年のライジングサンロックフェスティバルでした。アーステントでの演奏で、かなりスペースにもゆとりがありました。「まだまだの知名度なんだな」と思いつつも、氣志團綾小路翔が関係者エリアで見ていたのが印象的でした。「やはり注目されているんだろうな」と思ったのを覚えています。

2006年にはソロライブにも定期的に参戦するようになりました。

初めてソロのライブツアーを見に行ったのは2006年での日比谷野音でした。ライジングサンロックフェスティバルではきけなかった桜の季節をいきなり聞けて大満足してしまいました。それにしても、ノベルティの手ぬぐいを使い倒してしまったのが悔やまれます。

また、同年にはクリスマスの渋谷公会堂でのライブにも参戦しました。

ライブハウスで初めて見たのは2007年のZEPP TOKYOのサーファーキドリツアー。そして、2年ぶりとなったRSRは深夜の演奏。同じアーステントでも人の入りが違っていたのを覚えています。

そんなフジファブリックのファンになってよかったと心底思ったのは、2008年にリリースされたアルバムTeenagerの存在。

同年に自分が購入したアルバムの中で一番良かったんじゃないかと思っているのですが、非常に優れたコンセプトアルバムだと今でも思っております。加え、印象的だったのは言葉の使い方の変化です。

照れ隠しなのか、ともすれば叙情的になりすぎる傾向に歌詞のあった過去の楽曲に対し、Teenagerの楽曲ではストレートな表現が目立ちました。結果、より心に刺さる楽曲になった印象を受けました。と同時に、彼らはもっとスターダムになっていくんだろうと感じざるを得ませんでした。アルバムのレコ発のツアーについて述べたブログのエントリーでこのまま武道館まで走り続けてもらいたいと書いているのがその現れに他なりません。(実際は武道館にいかず、国技館に向かったわけですが)

2009年にリリースされ、結果遺作となったCHRONICLEのレコ発ツアーでは歌詞に続いて「演奏の厚み」という武器を獲得していました。言葉にするのが難しいのですが、明らかにバンドサウンドとしての厚みが増しており、ゾクゾクしたのを覚えていますし、その進化していく様子を客席から感じるのは快感でもありました。

また、レコ発ツアーの前に出演したは真心ブラザーズのイベントはただただ楽しかったです。お互いの楽曲やアリスの「冬の稲妻」をセッションしているのは印象的でしたし、なにより、百戦錬磨とも言える真心ブラザーズと渡り合っている姿にうれしくなってしまった記憶があります。)

だからこそ、今回の突然の訃報は残念でなりません。本当に残念すぎる。もっと大勢の人に知られて欲しかったし、もっと彼のライブを楽しんでいたかったです。

 この気持ちを忘れてしまわないように、30日のカウントダウンジャパンは彼らのツアーTシャツで参戦しようと思いつつ、彼と時間を共有したライブを記しておこうと思います。


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