月光/誉田哲也

 そんな楽天の試合を見ながら読んでいた一冊。読んだことを後悔してしまう程、救いがないという点で痛々しい一冊。

 同級生の運転するバイクにはねられ死んだ姉の死亡の真相を妹が突き止めるというストーリーを、数人の関係する人物の独白によるカットバック形式で展開させています。

 ストーリーの鍵になっているのはタイトルにもなっているベートーヴェンピアノソナタ「月光」。月夜に盲目の少女が弾くピアノを聴いて感動したことだったという月光にまつわるエピソード(後で調べてわかったのですが)をオマージュしていたようですが、その後のストーリーはそんなエピソードとは真逆と言ってもいいくらい「ありえない」展開が続きます。(具体的に書くのも憚られる位)

 元々、描写がえげつない部分がある誉田作品ではありますが、さすがに受け入れられないレベルの一冊でした。