アニメーション映画

 王様のブランチを見ていたら、映画ランキングの実に5作が2Dもしくは3Dのアニメ作品だったことに気がつきました。

 夏休み入りして子供向けが強いという事情もあるけれど、半数がアニメになっているということは、TVを中心としたコンテンツビジネスのあり方を考えるのに面白いと考えてます。

 なぜなら、アニメーションは手塚治の時代から、映像を中心としたコンテンツ自体の収益でリクープされる前提で製作されている点で、通常の映像よりもビジネスモデルとして洗練されているからです。(子供向けならマーチャンダイズ、大人向けならDVDってことです・・・最近お笑いもそこを意識し始めている気がしますが。)

 当然、映画も製作委員会方式で同様に製作されているわけですが、ここにはビジネス上、成功するための、2つのリスクが存在すると考えております。

 一つ目は、ヒットリスク。

 現在の実写映画の興行収入上位を見ると、洋画は大作の続編であることが多く、邦画はテレビ局とタイアップ(さらにいえば、テレビドラマの延長線)しているものがほとんどであるため、大手以外の参入余地がほとんどない状態です。

 例外としては、おくりびと剣岳(昨年だと、クライマーズ・ハイもか・・・)のような大人にターゲットを絞った作品になるかと思いますが、これも三大配給会社の作品であり、その他の会社が入り込む余地は正直少ないでしょう。(そもそも映画館があくかどうかの「配給リスク」すら存在します)

 そして二つ目は、タレントリスク。「ひとつ屋根の下」の兄弟のうち2人が薬関連で、となると今後の再放送が難しいだろうということが適切な例なのかはさておき、今後より重要視されるであろうアーカイブビジネスとしてのコンテンツ産業を考えると不祥事に影響されるリスクが実写はアニメーションに比して多いと感じています。

 一方、アニメであれば、乱暴な話、そのタレントが演じていたキャラクターの声優を変えてしまうという所が考えられます。

 制作費が実写よりも高いと言う問題はさておき、そういう点でアニメーションがより注目される気がします。(原作はマンガであることが多いことからも、アニメにしやすいものが多いといえるでしょうし。)