映画:DRAGONBALL EVOLUTION
昨日、仕事帰りに「DRAGONBALL EVOLUTION」をみてきました。
公開初日の20時の回、新宿バルト9の客の入りは2−3割程度。予想以上にガラガラ、違う意味でもドキドキでした。
そして、肝心の内容。(ネタばれがありますので、気をつけてください)
各種映画情報や予告編による「孫悟空がアメリカの高校生」であるという情報や鳥山明先生の「映画は別物」というエクスキューズ等を見ていたので、多少のことは驚かないと思ってました。
ただ、開始数秒、冒頭のナレーションからその予想は裏切られました。
「今から2000年前、ピッコロとOzaru(大猿)が日本を滅ぼそうとして・・・」
言葉にすると普通に思えますが(いや、あの猿はピッコロの手下じゃないだろという原作との矛盾は別です。)実際は、英語で「Ozaru」って言っていってます。なんで、そこは日本語なの?この時点からDragonballワールドに引き込まれます。その後もツッコミどころが満載。
ただ、特にその中でも秀逸だったのが、アメリカの思春期の高校生になっている孫悟空の描き方。
- 授業中、胸の大きな女子に見とれる。
- 彼女にパーティーに誘われ整髪剤でリーゼントに決める。
- 5本のロウソクに火をつけるカメハメ波の修行がうまくいかず、ズルをしようとする。
- さらに、彼女に「ロウソクに火をつけるごとに私に、近づいてもいいわよ」と言われると急に成功する。
- 最終的には3本同時に成功し、キスに持ち込む。
世界の破滅の危機を救える主人公とは思えない数々の行動です。漫画の悟空とは違ったところに尻尾があると思われます。
その他にも、
と言い出したらキリがありません。中途半端に原作を意識している上に、観る側がある程度ストーリーを補正してしまうため、粗さが目立ちます。どうやったらここまで雑になるんだろうと思うくらいの描写。
そして、ストーリーとして一番の驚きは
- ドラゴンボールを冒険し、探したのは一個だけ
ということ。あとは誰かが元々持っていたか(亀仙人の家の中とか)、敵のピッコロが集めたものです。二週間前に似たような映画を見た気がしたのですが、スケールが違いました。他人任せにも程があります。
そして、最後まで驚きが残されてました。悟空とチチのラブコメ風格闘シーンで浜崎あゆみの主題歌とともにエンドロールが流れ、終わるかと思われた後のことでした。
悟空にやられたと思ったピッコロが生きており、しかも、冒頭に近いシーンでドラゴンボールを奪った相手である女性(「アヒルと鴨のコインロッカー」のヒロインの関めぐみ)に看病されるという続編を意識させるようなプロローグがそこには残されておりました。まさかのサプライズにも程があります。
ただ、ひとつこの映画は教えてくれます。
それは映画館は映画を見終わってからも映画だということ。映画終了後、見に行った4名で居酒屋に言ったのですが、話が盛り上がること盛り上がること。(おかげで今日、のどが痛いです)そういった話題の共有も含め、映画は楽しむべきなんだろうなあと思わされました。
ある意味見る価値のある映画です。
ただ、ドラゴンボールを観たことがない女の子を誘って見に行くことはしてはいけません。完全に彼女は置いてけぼりになってしまいます。映画に誘いたい女の子がいる場合には、素直にレッドクリフまで待つのが得策でしょう。