映画:デトロイト・メタル・シティ

 昨日、六本木ヒルズのTOHOシネマズで映画「デトロイト・メタル・シティ」を見てきました。

 前売り券を持っていたため予約なしで見ようと14時半頃到着したのですが、スクリーンが200席程度のキャパシティだったこともあり、空いていたのは18時55分の回、しかも前方しか席は残っていないという人気でした。

 肝心の内容はというと、原作とは近すぎず遠すぎずの距離感で、原作を基にしたエピソードを活用しつつ(原作では別の話になっていたエピソードの組み合わせもかなりありました。)上手くオリジナルのストーリーに仕上げていました印象を受けました。

 完結していない原作と異なり、104分という限られた時間で、一定のストーリーを完結させる必要がある中で上手く原作のテイストを出せていたのではないかと思います。

 その中でも2つ個人的に好きだったシーンは、大学時代の後輩の佐治君とクラウザーさんの絡みのシーン。原作では、テレビ番組の収録のエピソードで存在していたシーンですが、映像ならではの「気持ち悪さ」が上手くでていて思わず声を出して笑ってしまいました。

 もう一つ好きだったのは、クライマックスのシーン。このシーンは原作にはないシーンですが、(類似シーンが単行本の4巻には存在してますが)原作の世界観を非常に良く映し出していたと思っています。「絶対来るだろう」と思いつつ、実際その通りにきて大笑いするお約束的なところでしたが、文句なしに面白かったです。

 さらに一点注目すべき点は、デスレコード社長を演じた松雪泰子の演技。見事な演技すぎました。松山ケンイチの演技もよかったですが、彼女の演技は特筆モノでした。この役で日本アカデミー賞とかとったらどんなコメントするんだろうと思わずにはいられない、最高の女社長でした。

 「このエピソードも入れてくれ!」と思うところはありましたが(弟のトシ君とクラウザーさんの絡みの一部など)、原作を上手く消化できていた映画となっており、満足できる内容でした。

 ちなみに、この「消化」については劇中の音楽についても同様に感じています。個人的には原作の世界観を上手く楽曲にも反映できていたのではないかと思っておりますが、結局の所、PJチーム全体でうまくDMCの世界観を共有できた成果なのではないかと考えました。

 そう思うと、マンガ・アニメ(これは原作に忠実すぎる印象を受けましたが)・音楽・映画といった各メディアと広告等のリアルプロモーションを上手く連動させた面白い成功例なのかもしれません。

 さすがクラウザーさん、面白いだけではなく、勉強にもなります。