舞台:空中ブランコ@東京芸術劇場

 舞台「空中ブランコ」を見に東京芸術劇場にいってきました。お金を出してプロの舞台を見るのは初めての体験でしたが、面白かったです。

 空中ブランコの作品自体は、小説の原作の他、映画・TVドラマと見てきたわけですが、本作も面白かったです。まず、伊良部医師と看護士のマユミの組み合わせが宮迫博之佐藤江梨子という時点で面白くないわけがないのですが、舞台ならではの迫力感や緊張感を含め、非常に楽しめました。

 実際、上記の2人のうち、宮迫さんについては、どこまでが伊良部医師としての演技かわからない位なじんでましたし、(ちなみに終演後のカーテンコールで「宮迫です!」をやってました)、サトエリについては、マユミとしてのサディスティックな演技に加え、クライマックスでの空中ショー等、セクシーさを満喫させてもらいました。(ホントにスタイルがよくてびっくり!)

 作品としては、原作同様、急に空中ブランコに失敗するようになったフライヤーの山下が、伊良部医師に診察をうけにいったらサーカスに興味を持った伊良部がサーカスに押しかけるようになって…という話です。

 原作と比べての一番の違いは、サーカスにおける人間関係を複雑化しているところ。伊良部と空中ブランコのフライヤーである山下のやり取りが多かった原作に比べ、サーカスの団員同士の人間関係に関するやりとりが多くなっているように感じました。そのため、伊良部のやり取りと山下の病気の回復についての因果関係がわからないのではと思われました。これに関しては、映像による演出が限られる舞台というメディアの特性に合わせたための演出かとも思いましたが…個人的には微妙な点でした。

 ただ、そういった点を差し引いても、舞台ならではの迫力を十分に楽しめた楽しい時間でした。と同時に、他の空中ブランコについて改めて観賞し、比較したくなりました。