書評:俺たち文化系プロレス DDT/高木三四郎
本が好き!から献本でいただいた一冊。現在、大小含めて様々なプロレス団体が存在する中で、10年以上もインディーの先頭を走り、男色ディーノやゴージャス松野、メカマミーといった特異なキャラクターを生み出し、マッスル等の独自の興行路線を走ってきたDDTの立ち上げメンバーにして代表取締役社長の著者による自伝です。
イベントサークルで数々のイベント成功させてきた時代の話から、DDTを立ち上げるまでの時代、そして立ち上げ後、どのような発想の元、DDTをどのように発展させてきたのかということが書かれております。
本書を通じて一番感じるのは、エンタテインメントをプロとして提供しようとしている姿勢です。DDTは「全日本プロレス」や「新日本プロレス」といった正統的な団体に所属していたメンバーを母体にして立ち上げられた団代ではありません。加え、本書のタイトルに「文化系」とあるように、必ずしも肉体的にも恵まれたメンバーだけとも限りません。
だからこそ、映像やストーリーを含め、過去になかったような新しいエンタテインメントを提供しようとし、共有体験を通じた顧客満足を追求します。また、既存のプロレスマスコミに取らわれないPR戦略や、インターネットを活用した情報発信を積極的に実施しています。
「色物プロレス」的なポジションとして取り上げられることが多く、個人的にも東スポの見出しでしか意識していなかったDDTですが、本書を通じ根底にあるプロ意識に触れることができ、一度見にいきたくなりました。
予想以上に面白かった一冊です。
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