書評:三谷幸喜のありふれた生活6 役者気取り/三谷幸喜

 朝日新聞に連載されているエッセイのまとめ本もはや6冊目、本作は2006年4月から2007年3月分の内容が収録されています。

 前作の有頂天時代は「映画監督」としての日々だったのが、本作では元々のフィールドである舞台の脚本家としての日々や、役者?として過ごしていた日々に変わっております。

 といっても、基本的な生活は変わっていないようです。それこそ、初エッセイ集である「オンリー・ミー わたしだけを」の時代からもでてきたようなエピソードが出てきます。

 テレビや映画に照れつつもなんだかんだいって出演したり、物忘れがはげしくなっていたり、ちょっとしたイタズラをしかけたりする「等身大の」エピソードを読むと、作品の巧みさとのギャップにニヤリとさせられます。(もっとも、サービス精神で誇張して書いている部分も多分にあるでしょうが)

 三谷エッセイが好きな方には期待を裏切らない一冊です。

 ちなみに、6月には新作映画「ザ・マジックアワーが公開されます。前作の有頂天ホテルが面白かっただけに、こちらも非常に楽しみでたまりません。