iTunes Storeの台頭と、日本の音楽市場の高年齢化?

 アメリカにおいて、iTunes Storeの売上が音楽販売で二位になったとのことです。

CNET記事:アップル、音楽販売でBest Buyを抜き業界第2位に--米調査

 また、アップルのHPにもニュースリリースがありました。

 その中で、個人的に関心をもったのは、アップルのHPにあった以下の内容。


iTunesはこれまでに40億曲以上を販売しましたが、2007年のクリスマスの日には、その日だけで2,000万曲という驚異的な数の楽曲を販売しました。

 クリスマスソングをプレゼントするというカタチでの販売がされたからなのかと思うのですが、単純に1曲100円と計算すると一日で20億円の売上となるわけです。

 一方、日本レコード協会が発表した、CDなどのパッケージと有料配信の販売金額の合計は2007年で合計は4,666億円(一日あたり約13億円)となるわけなので、この20億円という数字の大きさがわかります。

 さらにいうと、日本におけるPC向け音楽配信市場、サブスクリプションモデルを含めたとしても2007年度で約65億円に過ぎません。実に、米国の数十分の1程度。(ちなみにモバイル向けは680億以上と10倍以上存在)

* 日本における各種金額は日本レコード協会2月21日プレスリリースより抜粋しました。

 アメリカにおいても間違いなくP2Pでの音楽ダウンロードはされていると思うのですが、ここまで差が多いと日本の音楽レーベルがインターネットでのダウンロードに商機を見出すことは難しいのではないかなあと思ってしまいます。

 となると、市場が10倍存在するモバイル市場にフォーカスし、モバイル利用ユーザーに広まるようなプロモーションを行うのが正しいのかと思いますが、公式サイトが飽和状態の上、フィルタリング規制の問題もあるので、プロモーション要素としての広がりも難しい気がしています。

 そうすると、必然的にライブのようなリアルの場に向かうのかもしれません。ただ、ライブの価格にしろ高校生が手軽にいくには一度あたりの単価も決して安くはないわけで。

 と、考えると次第に音楽市場は高年齢化していくのだろうと思いますが、結局、パッケージと配信の合計市場は微増しているおり、なかなか前途多難な市場です。

 だからこそ、次の一手を考えられると強いのかもしれませんが。