日経新聞四面:エンジェル税制特集

 1月17日付け日経新聞第四面にて、エンジェル税制の特集がされていました。個人的にも非常にすばらしいことだと思いますが、多少なりともベンチャー企業に関わってきた人間として、2点思ったことが。

  • 設立三年以内で営業CFの赤字が続いている会社に対象を限定されているのは、個人的には好ましいと思えない。
  • 投資後のエンジェルとベンチャー経営者のマッチングができれば面白い。

というのが、その中身。

 まず前者の点について。気になっているのは営業キャッシュフローの点です。「受託を含め、自らの力で資金を蓄える」という傾向がある日本のベンチャー企業において(それこそ、「はてな」も初期は受託してましたし)この制限はどうなんだろうと思います。

 もちろん、アメリカ型の「短期で成長し、上場なりバイアウトを目指す」スタイルが今後一般的になるのであったり、そうあるべきだと国が考えているのであればいいのですが、ちょっと、日本のベンチャー企業のスタイルと乖離があるような気がしました。そもそも、自力でなんとかしてお金を稼いでいる企業を投資先対象外にする必要性が私にはないような気がします。(もちろん、営業CFが黒字であれば、エンジェルではなくVCや事業会社による戦略投資を優先する可能性が高いのですが。それでも一般個人投資家が赤字続きの会社への投資には消極的になる可能性があるので、この制限は不要ではと感じます。)

 後者は、投資マネー以上に、営業CFを稼ぐきっかけになれば個人的には面白いと思います。もちろん、一般投資家が自らの会社の不利益になるような行為をしてしまう危険性も考えられますが、エンジェルとベンチャー企業が資金提供以上の関係性が築けると面白いエコシステムができるような気がしています。(自分がベンチャー企業で営業をしていて大変だったのは、いかにして営業先に信用されるかだったので、信用できそうな入り口が広がることは好ましいことだと思ってます。)

 ちなみに、個人だけでなく認定されたファンドであってもOKとのこと。コア・ピープル・パートナーズとかが認定を目指すのかなあと思っており、ちょっと注目してみたいと思います。