Amazon MP3のインパクトと、moraの戦略
CNETの記事で、Amazon.comの音楽ダウンロードサービス「Amazon MP3」において、米国において四大レーベル全てと提携し、DRMフリーで音楽ダウンロードが可能になったとありました。
参考記事:アマゾン、ソニーBMGのDRMフリー楽曲を販売(CNET JAPAN)
日本においてiTunes Storeでソニー関連のアーティストが売られないだろう現状を思うと、一音楽ファンとしてうらやましくなります。と、同時に日本のPC向け音楽ダウンロード販売においてAppleの牙城を崩すのがどこになるのか気になります。(そもそも、日本におけるPC向け音楽ダウンロードの市場がそもそも大きくないというのはあるのですが *1)
*1 日本レコード協会の発表によると、2007年1月-6月におけるPC向け配信市場はミュージックビデオを含め約27億円(前年比108%)程度であり、モバイルの着メロ、着うたの市場(約320億円、前年比143%)の10分の1にも満たない状況。(http://www.riaj.or.jp/data/download/2007.html)
国内のPC向け配信サービスとしてはNapstar、Listen Japan、Mora、Music OceanやOnGen等などのプレイヤー等が浮かぶのですが、やはり個人的にはMoraに頑張ってもらいたい所。もし、MoraがDRMフリーのMP3の販売を始めることができたならば、大分状況が変わってきそうな気がしています。
もっとも、au × SONYのMusic Projectに対して、mora for Lismoを提供している時点で当面は難しいと思いますが。
日本における携帯型MP3プレイヤーの市場において、iPodが圧倒的なシェアをもっており、iPodをもっていることが音楽好きとしてのステータスになっている中で、(むしろ、「iPod以外を使っているだけで、クールではないと思われる」という表現の方が正確かも)iPodを対象外とする時点で結果が見えている気がします。
mora for Lismoに関しては、moraがどうこうというよりも、「音楽を持ち運ぶ」市場においてauとSONYが巻き返しを図りたいという中での提携関係なんだろうと思われますが、一般ユーザが便利になる方に進んでいないのが残念です。(この点Yahoo!が自らコンテンツを販売せず、iTunesともmoraとも連携するという道を選んだというのは個人的には非常に正しいと思ております。)
なので、今からでも遅くないと思うので、moraも他のDLサイトも、なるべく早くDRMフリーでMP3を販売できるようにする戦略を立てて欲しいと思います。むしろ、それしかダウンロード販売の拡大の道はないように思えるのですが…。
それも、ソニーミュージックがiTunesで販売を開始してしまえば、相当に危ういのかもしれませんが。
結局、何がいいたいかというと、CDを300円程度でレンタルし、自分のHDDの中に保存できる世の中に対抗するために、もっとオープン且つ、安価なPC向けDL販売市場ができて欲しいということです。