トップランナー

 先週金曜日のオンエアを見逃していた細田守監督がゲストのNHKトップランナーNHKオンデマンドの「見逃し番組サービス」で視聴。

 アニメ業界を志したきっかけから、「時をかける少女」の主人公である真琴のキャラクター付けの意味、サマーウォーズの制作秘話まで幅広い内容でしたが、個人的に面白かったのは35分前後で語られている「オーソドックス」についての考え方。  

(途中降板することになった)ハウルの動く城の失敗の後、それまで 当たり前、退屈なものだと思っていたオーソドックスというもの中に「普遍的なもの、みんなが共感できるもの」が潜んでいるということが理解できるようになった。

 細田監督の作品は「時をかける少女」にせよ「サマーウォーズ」にせよ、観ていて共感でき、シンプルに面白いと思っているのですが、やはり、監督がそういった所を意識されているのだと、納得してしまいました。(似たような考え方は、三谷幸喜監督も同様の考えを持っているのではないかと推測しております…一度二人の対談等みてみたい。) 

 ギミックなどに凝りすぎるあまり、ストーリーやキャラクターの表情といった本質的な魅力が伝わってこない映画もある中で、こういった監督がいることは非常に安心できることではないでしょうか?

 そんな細田監督の次回作は、「シンプルなもの」と構想しているとのこと。過去作を味わいつつも、次回作を楽しみに待っていたいと思わされてしまう番組でした。