この一ヶ月に読んだ本一覧(後半編)

 前回のエントリーに引き続いて、最近読んだ本の感想を簡単に。

 2007年の本屋大賞作と吉川英治新人文学賞をダブル受賞した作品。全三巻を単行本でそろえると高いと感じ、文庫本を待っていたのですが、中古本が手ごろな値段で売っていたので購入しました。 

 天才サッカープレーヤーを兄に持つ主人公神谷新二は、高校進学とともにサッカーをあきらめ、陸上エリートである幼馴染の一ノ瀬連とともに進学した県立高校で陸上のスプリントに打ち込む話ですが、良質の青春小説でした。

 3年近い取材に基づいているだけあり、陸上シーンの描写が非常に精緻かつ生き生き描かせております。一方のキャラクターも、主役の2人以外に関しても一人ひとりに個性をもってに描かれており(特に、顧問の「みっちゃん」こと三輪先生が個人的にはいい味だしてました。)読み手として、作品の世界観にぐいぐい入り込まされます。

 また、先が読みたくなるような絶妙な形でエンディングを迎えているのも心憎い所です。ぜひとも、続編や外伝等をと思わされる作品でした。

  • Bボーイサラリーマン/HIRO

 EXILEリーダー、HIROが他の3人のダンサーをを勧誘する際に語ったエピソードと言う形で描いたノンフィクション風の小説が中心となった一作。最近、個人的に「草食男子」「歴女」「EXILEの3つのキーワードは相互に関連しているのではないかと思っていたこともあり、その検証のため、購入しました。

 上記3つの関連性については別エントリーでまとめようと思いますが、とりあえず、HIROが「停滞すること」に対しリスクを感じ、行動し続ける理由はわかるような気がしました。

 以前読んだ「孫正義 起業のカリスマ」の続編と言える本。これについて色々と興味深い内容もあるので、別エントリーでまとめます。

  • 得をするマンションの選び方−プロが選ぶ77のポイント/碓井民朗

 一級建築士であり、マンション購入に当たってのコンサルタントを行っている著者によるマンション購入指南本。建築家だけあって、建築構造や素材に関する専門的な論点は勉強になります。

 一方で、おススメの業者は「一番は財閥系、続いて電鉄系」という普通すぎてポイントにならないような内容や、「主寝室の床はカーペットがいい」(理由:柔らかさが感じられるから・・・マンションの選び方と関係ある?)、「買い時は2010年末以降」(理由:本格的な景気回復は2011年以降になると思うから・・・ちなみにその根拠は記載なし、そもそも一年半買っちゃいけないと思う人がこの本を2009年の春に出すのはどうなんでしょ?)といったツッコミどころ満載な内容も数多く存在しており、普段からいい本が多いと思っている角川oneテーマにしては、クオリティは疑問視されます。

 あくまで、自分にとって必要だと思う部分だけを読むのがいい本でしょう。

 一方で、まだ読んでいない本も数冊あります。今週以降業務等が忙しくなりそうですが、上で宿題とした内容と追加で読んでいる本については別途まとめるようにしようと思います。