TV:ベンチャーがニッポンを救う〜それでも負けない技術力〜

 今週のガイアの夜明けは「技術」と「ベンチャー」の話。

 一番心にきたのは、投資担当者が他の投資担当者に手厳しくやられている所。まさに、どこかで見たことのある話、としかいいようがありません。四方から指摘事項が飛んできてコテンパンにされるのは、どこも同じです。

 で、今回の放送を見て思うのは、投資を受ける側も投資家サイドの話を聞かなければいけないということ。どうしてもベンチャー系の話はリスクマネーをはらなければ、(日本としても)将来はない」というスタンスになりがちです。

 ただ、一方で、ベンチャーの経営者サイドも数多くの企業の事業を見てきている投資サイドの知見を活用しなければいけない、という点があると個人的には思っています。思い入れや自信があるのはいいのですが、過信をせず、議論し、上手く他人の意見をきく能力が今後、ベンチャーサイドには求められていくと考えています。(ベンチャー経営者自体が基本的にワンマンな性格を持っているということは別として、個人的には、経営者がこちらサイドの意見を聞くかどうかを見極めることが投資の条件になると考えてます。)

 ちなみに、経営者に聞いてもらうべき意見は、実は投資家サイドの意見ではない、と思っています。むしろ、「社内の二列目からあがってくる声」が大事だと思っています。経営陣の下でハブとなる役割をしている人間が大体の会社にはおり、彼が会社について思っているあるべき論を上手く翻訳し、経営者とミーティングを持つことが投資家サイドにとっては重要なことであると、自信の経験からは感じています。

 つまり、社内の人間からは言いにくいことに対する通訳を投資家が行うということです。

 もっとも、このあたりの手法はバイアウト投資的な手法であり、手間がかかるところがありますので、今回のガイアの夜明けに登場してきたような3−4年の投資期間(*1)で3,000万円から5,000万円を投資(*2)し、7倍から10倍のROIを狙う「一発勝負」には当てはまらない可能性が高いのですが。

*1 TVにでていたIRRから逆算。

*2 投資決定先の資本金、資本準備金の増加額から投資額は推定

 ただ、株式市場が低迷し、IPOしても十分なリターンが見込めなくなってくる可能性がある情勢を考えると、VCにもバイアウト的な手法が求められると思うというのが、個人的には間違いない傾向と思っております。

 そのあたりが変わると、ベンチャーに流れるお金の流れも変わってくるでしょう。